『グノーシア』汝の隣人を騙せよ。ループを繰り返すSF人狼ゲーム

『汝は人狼なりや?(以下、人狼ゲーム)』というパーティーゲームをご存知でしょうか。あ、友達がいない。なるほど。私もやったことはないです。

グノーシアは人狼ゲームを基にした一人向けADVゲームで、この度Nintendo Switch版が発売される運びとなりました。元々は2019年発売でありながらPS Vita専売のDLゲームとかいうストロングスタイルで、結果的にそれが功を奏したみたいです。

プレイヤーは「グノーシア汚染者(以下、グノーシア)」が紛れ込んだ宇宙船の乗員として、グノーシアの排除に乗り出します。しかし、この宇宙船はなぜか事件が決着(解決ではない)する度に乗員の構成やグノーシアが変わる不思議なループ空間の中にあることに気付きます。プレイヤーの立場もグノーシアになったりする中で、プレイヤーと同じくループに気付いている「セツ」と共に真相を探っていきます。

グノーシアのルールはこんな感じです。

  1. 宇宙船の乗員(人間)の中にグノーシアが紛れ込む
  2. グノーシアは嘘をつける
  3. グノーシアは誰がグノーシアかわかる
  4. 参加者全員でグノーシアと思われる者を話し合いと投票で決め、一人だけコールドスリープ(要するにゲームから排除)させる
  5. コールドスリープ後、まだゲームにグノーシアが残っている場合、グノーシアは乗員の中から一人を選んで殺害(排除)する
  6. 4と5を繰り返し、全グノーシアをコールドスリープさせると乗員側の勝利となり、乗員とグノーシアの数が等しくなるとグノーシア側の勝利となる

勿論、このままでは判断材料が何一つないので、話し合いと言ってもただの水掛け論でしかありません。そこで、判断材料として次のロール(役割)が各一人まで加わります。

  • エンジニア
    • コールドスリープ後、参加者を一人選んでグノーシアかどうか確認できる
  • ドクター
    • コールドスリープされた人物がグノーシアだったか確認できる
  • 守護天使
    • コールドスリープ後、参加者を一人選ぶ。その人物がグノーシアの殺害対象だった場合、そのターンの殺害は失敗となる
  • AC主義者
    • グノーシアの味方をする(勝利条件がグノーシアと同じ)
    • グノーシアではない
    • グノーシアが誰かはわからない
    • 嘘をつける
  • バグ
    • 生存した状態で乗員側かグノーシア側の勝利条件を達成したとき、代わって勝利となる
    • グノーシアの殺害対象に選ばれたとき、必ず失敗する
    • エンジニアの能力対象に選ばれたとき、消滅(排除)する
    • 嘘をつける
  • 留守番
    • 船の寄港時に外出せず、グノーシア汚染を避けられた人
    • 確定でグノーシアではない

嘘をつけるロール(グノーシア、AC主義者、バグ)はエンジニアやドクターに成りすますことができるので、誰が本物で誰が嘘をついているのかを推理する必要があります。嘘の看破はロジックに基づく推理による他、プレイヤーが持っている「直感」のパラメータが高ければ他プレイヤーの演技を見抜くことでも実現できます。嘘を付いていることに気付いても、「カリスマ」や「論理」のパラメータが足りない場合は他のプレイヤーを説得できずコールドスリープにまで持ち込めません。また、誰が怪しいだ怪しくないだのを繰り返し発言していると、自分の疑いを逸しているのではないかと怪しまれるようにもなります。逆もまた同様に、発言しないでいると目立たないように隠れているのではないかと疑われてしまいます。ままならねえ。

各NPCには性格やパラメータが割り振られています。論理的に行動する者、感情で動く者、目立たないように動く者、自身の可憐さを武器に変える者、直感が鋭い者、嘘が下手な者…。正直なところ、一見しただけでは彼らはNPCとは到底思えない動きをしてきます。グノーシア同士でも立場が怪しくなった者を切り捨てようとする動きを見せるなど、一筋縄ではいきません。

マルチプレイヤーな本来の人狼ゲームでは、序盤に処刑(吊る)されると、そのセッション中30分くらいは何もできない辛い時間が待ち受けているようですが、グノーシアは一人用ゲームなのでそんなことは一切ありません。制限時間もないので、メモを取ったり、逆に深く考えず直感だけで動いても怒られません。負けたら負けたで、特に何も考えず次いこ次!のノリで次のゲームを始められるのも○。

勿論これはビデオゲーム上に仮想的に実現される人狼ゲームなので、本来対面で行うゲームとはノリが異なります。参加者の何気ない挙動から白黒を判別するようなこともできませんし、参加者間の力関係がゲームに影響を与えることもありません。しかし、それが良いこともあります。

本来人狼ゲームとシナリオの概念は食い合わせが悪く、というか人狼が紛れ込んでいることがわかっているのに淡々と一人ずつ話し合いで処刑していく集落の光景なんて普通は考えにくいので、シナリオを書くとすれば「カルト教団に紛れ込んだ異教徒」くらい血みどろ過激にしないと成立しないのではないでしょうか。それをSFに持ち込み、コールドスリープということでいくらかカジュアルなストーリー展開を実現できたのは大きいと思います。

最初はロールが少ないので水掛け論が続きますが、ループを繰り返す度にロールが増えて考えることが多くなってきます。AC主義者の存在が本当に厄介で、一応カウント上は人間であることから、吊るには惜しいが吊らなきゃ面倒くさい状況になりやすい。そしてグノーシア同士で切り捨てが発生すると、推理が振り出しに戻ってしまうことも多々あります。そして動いていると怪しまれて吊られたり、おやつにされてしまうこともしばしば。

総じて、誰かがやらかさない限りは100%完璧な推理ができず、誰がどの役割か仮定を立てなければ進みません。そこに信じる/騙されるの要素が出てきて、理不尽な理由で排除されることも多いです。そのため、単純な推理ADVのようにはいきません。

そんなこんなで、だらだらとループを続けていると時間が奪われます。なんというか、久しぶりに大当たりのゲームにぶつかった気がします。ゲームの発売日以降は寝ても覚めてもグノーシアのことを考えています。とりあえずは連休中にゲームをクリアしてから考えましょう。

Nintendo Switch|ダウンロード購入|グノーシア
グノーシアは嘘をつく。 人間のふりをして近づき、だまし、人間達を消し去っていく――
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